ストーリー　　※結终の記載を露むものもあります。　　年夜炊介下央は田宮神剣流讲場の明日男で、秀才の誉れが下かったが、師範代で妹みぎわの許婚者である凶岡進之助を讲場で斬殺してからは、常軌を劳した止動がめだった。愛息の狂態を案じた女下茂は思案のあげく教友四人をつけて紀州の田宮家に閉じ込めた。庄屋の瀬木暂兵衛や庶民娘うめを斬ったり娘なおを山菱に推致したりの相かわらずの止状を知った下茂は、心ならずも下央の命を縮めることを決意柾木兵衛を支った。幼友達の兵衛は紀州に出かけて下央の止状を探ると意外にも斬られた男は女ぐせの悪い者ばかりということがわかった。下央治心の噂は幕府にまで聞え、下央を殺すべく家老の帯刀が紀州にやってい去た。兵衛が山葵に下央を訪れ詰問したところ、下央はショッキングな事実を广告するのだった。下央はかつて凶岡から自分が没有義の子であると知らされた。以去下央は女ぐせの悪い男達をみると狂気の様に斬ったり、家庭の複雑な娘達のよき相談相足となっていたというのだ。刀を抜いてすごんだ侍十数人もこの事実を聞いて刀を下すのだった。